Coherence(UMass)によるトピックモデルの評価

今回もトピックモデルの評価指標の話です。
前の2記事でPerplexityを扱ったので、今回は Coherence を扱います。

さて、トピックモデルの予測精度を評価していたPerplexityに対して、
Coherenceはトピックの品質を評価するものです。

人間が見て、このトピックは何の話題に言及するものだ、とわかりやすく分類できていたらCoherenceが高くなります。
そう説明すると単純なように思えるのですが、これを実現する指標を作るのはなかなか大変です。
そのため、Coherenceの定義はこれ、と明確に定まったものは無く、いろんな手法が提案されています。
gensimに定義されているものだけでも、u_mass, c_v, c_uci, c_npmi と4つがありますし、
実際に提唱されているものは人間が評価するものなどもっとあります。

これらの中で、別のコーパス(Wikipediaのデータなど)を用意しなくてよかったり、Google検索結果などを使わなくても良く、
計算速度も早い u_mass の使い方を紹介します。

提唱された論文はこちらです。
参考: Optimizing Semantic Coherence in Topic Models

どうでもいいのですが、 u_mass が何の略なのかずっと疑問でした。
論文を見ると University of Massachusetts のようですね。
Mimno(2011)のDavid Mimnoさんは Princeton University なのでなぜu_massと呼ばれているのかは謎です。

話を戻します。
論文中で提唱されているCoherenceは次の式で計算できます。

トピック$t$に対して、出現頻度の高い$M$個の単語の集合を$V^{(t)}=\{v_1^{(t)},\dots,v_M^{(t)}\}$とします。
$D(v)$を単語の出現文書数、$D(v_1,v_2)$を単語の共起文書数とするとトピック$t$のCoherenceは次の式になります。
$$
C(t; V^{(t)})=\sum_{m=2}^{M}\sum_{l=1}^{m-1}\log\frac{D(v_m^{(t)}, v_l^{(t)})+1}{D(v_l^{(t)})}.
$$

要するに、そのトピックの頻出単語たちがよく共起してるほど高くなるように作られています。
そのため、トピック数等の決定に使う場合は、Coherenceが高いものを採用します。
(Perplexityは低いものを採用するので注意です。)

定義から明らかですが、この指標は各トピックごとに計算されます。
そのため、モデルの評価として使うには各トピックごとのCoherenceの平均を使います。

前置きが長くなってきたので、サンプルコードは次の記事で書きたいと思います。
なお、 scikit-learnの方には実装がないようです。
そのため、scikit-learnでLDAを実装した場合は上の式を自分で実装する必要があります。

gensimには実装されているのでそちらを紹介予定です。

“Coherence(UMass)によるトピックモデルの評価” への2件の返信

  1. For the “UMass” measure, the numerator $D(w_i, w_j)$ is the number of documents in which words $w_i$ and $w_j$ appear together. 1 is added to this term because we are taking logs and we need to avoid taking log of 0 when the two words never appear together. The denominator is the number of documents $D(w_i)$ appears in. So the score is higher if $w_i$ and $w_j$ appear together in documents a lot relative to how often $w_i$ alone appears in documents. This makes sense as a measure of topic coherence, since if two words in a topic really belong together you would expect them to show up together a lot. The denominator is just adjusting for the document frequency of the words you are considering, so that words like “the” don’t get an artificially high score.

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