前回の記事がMA過程の反転可能性について述べたものだったので、今回はAR過程をMA過程で表現できることについてです。
参考:MA過程の反転可能性
AR過程全てではなく、定常AR過程に限った性質ですが、
定常AR過程はMA($\infty$)過程に書き直すことができます。
たとえば、 $|\phi|<1$の時、次のAR(1)過程は定常です。 $$ y_t = \phi y_{t-1} + \varepsilon_t , \varepsilon_t\sim W.N.(\sigma^2). $$ これは、 $$ y_t = \sum_{k=0}^{\infty}\phi^k\varepsilon_{t-k} $$ と書き直すことができます。 また、MA過程は常に定常なので、MA過程に書きなおせるAR過程は定常です。 ということで、AR過程が定常になる条件と、AR過程をMA過程に書きなおせる条件は同一になり、 AR特性方程式の解を調べることで判断ができます。