これはpyMCに限った話ではないのですが、pyMC + ArviZ を使っていると頻繁に目にする指標なのでほぼpyMC関連の記事6記事目と見ていただいて良いと思います。
pyMCの結果を見ているとhdiという指標を頻繁に目にします。僕はこれについてあまり馴染みがなかったので説明を残しておこうと思います。
各記事のpyMCのサンプリング結果のsummaryをDataFrameにしたときも登場していますし、可視化したらグラフ中にも登場しますね。
このHDIは、確率分布の区間を切り取ったものです。指定の確率、(一般的には95%だそうですが、) ArviZでは94%がデフォルトで指定されており、その区間に含まれる確率が94%となるような区間を示します。
似たような概念で信頼区間や予測区間というのもありますが、違いはその区間の切り取り方です。信頼区間や予測区間では大抵、区間を切り取るとき、確率分布の上側と下側から同じ確率を切り抜きます。94%区間を取りたいのであれば、下から3%と上から3%を外して残りを取り出します。
それに対して、最高密度区間(HDI)では、その名の通り、確率密度が高い部分から優先的に確保して、指定の確率、今の例であれば94%となるように区間を切り出します。
山が一つあるような形の確率分布
注意として、確率分布が複数の山を持つような形だった場合、HDIは単一の区間ではなく、ふくすの区間に分かれて定義されることがあります。pyMCやArviZがそのような例に対応しているかどうかはちょっと確認しきれていません。(まだそういう例に出くわしたことがないので)
HDIの良い性質として、その指定の確率を含む区間の切り取り方としては一番狭い幅の区間になるというものがあります。ベイズ推論に限った話ではなく、何か数値を予想するのであればできるだけ狭いレンジに絞り込んで推論したいのでこれはありがたいですね。