matplotlibで折れ線グラフ(plot)を書く時に線の書式を指定する

matplotlibで折れ線グラフを書く時に線の書式を指定する方法のメモです。
大抵のケースでは色で見分ければ十分なのですが、たまに点線や破線を使いたいことがあります。
(色が使えない場合もマーカーで見分けてもいいのですけどね。)

ドキュメントはこちらです。
set_linestyle(ls)
matplotlib.pyplot.plot の linestyle のリンクをクリックすると上のページに飛びます。

方法は簡単で、 plot する時に linestyle変数に ‘dashed’ などの文字列や ‘:’ などの記号を指定するだけです。
Noneで、線を消すこともできます。(その場合はマーカーを使いましょう)

試しに4種類の線を引いてみました。
(線の種類の区別を目立たさせるため、色は揃えました。)


import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np

# データ生成
x = np.arange(10)
y0 = np.random.normal(0, 0.5, 10)
y1 = np.random.normal(1, 0.5, 10)
y2 = np.random.normal(2, 0.5, 10)
y3 = np.random.normal(3, 0.5, 10)

plt.rcParams["font.size"] = 14
fig = plt.figure(figsize=(10, 6))
ax = fig.add_subplot(1, 1, 1, title="linestyleの例")
ax.plot(x, y0, linestyle="-", c="b", label="linestyle : solid, '-'")
ax.plot(x, y1, linestyle="--", c="b", label="linestyle : dashed, '--'")
ax.plot(x, y2, linestyle="-.", c="b", label="linestyle : dashdot, '-.''")
ax.plot(x, y3, linestyle=":", c="b", label="linestyle : dotted, ':''")
ax.legend(bbox_to_anchor=(1.05, 1))
plt.show()

出力はこちら。

pythonのdictから値を取得する時にデフォルト値を設定する

今は当たり前のように使っているテクニックですが、初めて知った時は感動したので紹介。

ドキュメントはここ

pythonの辞書オブジェクトから値を取得する時、[ ]を使う方法と、
get()を使う方法があります。


sample_dict = {
    'apple': 'リンゴ',
    'orange': 'オレンジ'
}

print(sample_dict['apple'])  # 'リンゴ'
print(sample_dict.get('orange'))  # 'オレンジ'

タイプ数が少ないので[ ]の方を好むかたが多いと思うのですが、
getの方には、引数がkeyの中に存在しなかった時の初期値を指定できるメリットがあります。

例えば、
sample_dict["grape"] は keyErrorが発生してしまいます。
しかし、
sample_dict.get("grape")はNoneを返しますし、
sample_dict.get("grape", "未定義")とすると、
2個目の引数である、”未定義”を返してくれます。

エラー処理もいらないし、事前に辞書に取得しようとしているkeyが含まれているか確認する必要もなくなり、
非常に便利です。

requestsにタイムアウトを設定する

requestsを使ってurlのリストをチェックしていた時にredirectに加えて困ったのが、応答に時間がかかるサーバーへアクセスした時です。
数秒待って結果が戻って来ればまだいいのですが、そのままスクリプトが進まなくなってしまうことがありました。
これを防ぐには、timeoutを設定すると良いようです。
(デフォルトでは設定されていない)

ドキュメントはこちら。
クイックスタート – timeouts
日本語が少しおかしい気がします。
timeout パラメーターに秒数を指定すると、指定した秒数の間、Requestsのレスポンスの待機を止めることができます。
おそらく意図は「timeout パラメーターに秒数を指定すると、指定した秒数でRequestsのレスポンスの待機を止めることができます。」ではないかと。

早速ですがやってみましょう。
timeout になると例外が発生するので、キャッチできるようにします。
(本来はrequestsライブラリで定義されている専用の例外を使うべきなのですが、とりあえずException使います)


import requests

url = "https://httpstat.us/200?sleep=10000"  # 時間のかかるURL

try:
    response = requests.get(url, timeout=3)
    print(response.status_code)  # 実行されない
    print(response.url)  # 実行されない

except Exception as e:
    print(e.args)

# 出力
(ReadTimeoutError("HTTPSConnectionPool(host='httpstat.us', port=443): Read timed out. (read timeout=3)",),)

想定通りに動きました。

requestsを使って、GETでアクセスすると自動的にリダイレクトされる

日常的に使っていて、このブログでも紹介したことのあるrequestsの話です。
参考:requestsを使って、Webサイトのソースコードを取得する

これまで意識せずに使っていたのですが、requestsでgetすると、リダイレクトがあるページの場合、
自動的にリダイレクトされます。
ドキュメントにもはっきり書いてありますね。
リダイレクトと履歴

例えば、このブログはhttpでアクセスすると、httpsのurlにリダイレクトする設定になっています。
そのため、以下のコードは、”https://analytics-note.xyz/” ではなく、
そこからリダイレクトされて、”https://analytics-note.xyz/”にアクセスします。


import requests
url = "https://analytics-note.xyz/"
response = requests.get(url)
print(response.status_code)
print(response.url)

# 以下出力
200
https://analytics-note.xyz/

status_codeがリダイレクトの302ではなく、200になることや、
urlがhttpsの方に書き換えられていることがわかります。

ちなみにリダイレクトされたページへのアクセス結果は、Responseオブジェクトの、historyというプロパティに、
Responseオブジェクトの配列として格納されます。
今回リダイレクトは1回でしたが、複数回に及ぶ可能性もあるので配列で格納されているようです。


print(response.history)
# 出力
[<Response [302]>]

この自動的にリダイレクトしてくれる仕組みはデータ収集等では非常に便利なのですが、
作業の目的によっては逆に不便です。

リダイレクトして欲しくない時は、allow_redirectsという引数にFalseを渡すことでリダイレクトを禁止できます。


response = requests.get(url, allow_redirects=False)
print(response.status_code)
print(response.url)

# 以下出力
302
https://analytics-note.xyz/

pythonで編集距離(レーベンシュタイン距離)を求める

ごく稀にですが、文字列同士の編集距離を求める必要が発生するのでその時のメモです。

編集距離(レーベンシュタイン距離)とは、二つの文字列がどの程度異なっているかを表す距離の一種です。
Wikipediaにも解説があります。

一方の文字列に対して、1文字の挿入、削除、置換を最低何回施せばもう一方の文字列に等しくなるかで定まります。

pythonでこれを求めるときは、python-Levenshtein というライブラリが使えます。

インストール


pip install python-Levenshtein

使い方


>>> import Levenshtein
>>> text1 = 'Levenshtein'
>>> text2 = 'Lenvinsten'
>>> Levenshtein.distance(text1, text2)
4

pickleを使ってpythonのオブジェクトをファイルに保存する

(注)この記事はscikit-learnのモデルをファイルに保存することを念頭に書いていますが、
pickle自体はscikit-learnのモデル以外のものも直列化してファイルに書き出すことができるモジュールです。

以前の記事で、kerasで作成したmodelを保存したり読み込んだりする方法を書きました。
今回はscikit-learnで作ったモデルを保存してみます。
kerasには専用の関数が用意されていたのですが、scikit-learnにはありません。
そのため、他の方法が必要です。
そこでpython標準ライブラリの pickleが使えます。
ドキュメント

利用方法は、ドキュメントのpickle.dumppickle.loadの説明と、一番下の使用例が参考になります。

clfという変数に、学習済みのモデルが格納されているという想定で、保存と読み込みのコード例を紹介します。
また、保存するファイル名は何でも良いのですが、サンプルコードではclf.pickleとします。

まずは保存。


import pickle
with open("clf.pickle", "wb") as f:
    pickle.dump(clf, f)

次に読み込み。


import pickle
with open("clf.pickle", "rb") as f:
    clf = pickle.load(f)

これで、一度学習したモデルを読み込んで、予測に活用することができます。
scikit-learnで学習したモデルを本番運用するならばほぼ必須の技術です。
(pickle以外の方法を使うという手もありますが、何らかの形での保存と読み込みの手段が必要です)

pandasでgroupbyした時に複数の集計関数を同時に適用する

前の記事の続きです。
pandasでデータフレームをgroupbyした時に使える集計関数
ドキュメントのこの記事で参照した部分のすぐ下に、
Applying multiple functions at once
という段落があります。
実はこれ初めて知りました。
今までグルプごとに個数と、平均と、標準偏差を計算したい、みたいな時は、
groupbyして集計を個別に実施して、その結果をmergeするという非常に面倒なことをずっとやっていました。

それが、aggというのを使うと一発でできるようです。


import pandas as pd
from sklearn.datasets import load_iris

# データフレームの準備
iris = load_iris()
df = pd.DataFrame(iris.data, columns=iris.feature_names)
df["target"] = iris.target
df["target_name"] = df.target.apply(lambda x:iris.target_names[x])
del df["target"]

df.groupby("target_name").agg(["count", "mean", "std"])

出力されるのが次です。(ブログのレイアウトの都合上画像で貼り付けます。)

これは便利です。
また、DataFrameのカラム名が2段になっています。
これをみて、indexだけではなく実はcolumnsでも、MultiIndexが使えることを知りました。

pandasでデータフレームをgroupbyした時に使える集計関数

データの集計や分析をpandasで行う時、平均や合計を求めるために、
groupbyを使って集計することがよくあると思います。

非常に手軽に使え流のでなんとなく .sum()や .mean()と書いていたのですが、
そういえば他にどんな関数が使えるのか調べたことがなかったと思ったのでドキュメントを見てみました。
まずここ。
pandas.DataFrame.groupby
平均をとるサンプルコードがありますが求めていた関数の一覧がないですね。

よく読むと、See the user guide for more.とあります。
そのuser guideがこちらです。

Group By: split-apply-combine

この下の方に一覧がありました。

Function

Description

mean()

Compute mean of groups

sum()

Compute sum of group values

size()

Compute group sizes

count()

Compute count of group

std()

Standard deviation of groups

var()

Compute variance of groups

sem()

Standard error of the mean of groups

describe()

Generates descriptive statistics

first()

Compute first of group values

last()

Compute last of group values

nth()

Take nth value, or a subset if n is a list

min()

Compute min of group values

max()

Compute max of group values

グループ化した後に、describe()なんてできたんですね。
少し試してみたのですがこれ便利そうです。
他にもSeriesをスカラーに変換するlambda式なども使えるようです。

pandas-profilingで探索的データ分析

データ分析をする際に、最初にデータ全体(多すぎる時はサンプルを)を眺めてみるのですが、
その時にpandas-profilingというのを使うと便利なので紹介します。

PyPiのページには見事に何も書かれてません。 
そのため、公式ドキュメントらしいものが欲しい時はリポジトリを見ましょう。

インストール


pip install pandas-profiling

使い方ですが、とりあえず、ボストン住宅価格のデータセットでやってみましょう。


# ライブラリインポート
from sklearn.datasets import load_boston
import pandas as pd
import pandas_profiling as pdp

# データの準備(pandasデータフレームを作る)
boston = load_boston()
df = pd.DataFrame(boston.data, columns=boston.feature_names)

# レポーティング
report = pdp.ProfileReport(df)
report # jupyter notebookuで実行すると、notebook上に表示される。
# ファイル出力
report.to_file("boston.html")

これで、下のhtmlファイルが出力されます。
なお、jupyterで表示した場合も同じ見た目です。
boston

各特徴量のデータ型や分布、欠損値や相関係数などがまとまって出力されて非常に便利です。

ただ、便利すぎて、これだけみて何かすごい分析をやったような気がしてしまうことがあるのでそこだけは注意しています。

データから確率分布のパラメーターを推定する

データから、そのデータを生成した背景にある確率分布を推定したいことはよくあります。
正規分布やポアソン分布を仮定するのであれば、簡単ですが、多くの分布では結構面倒です。
そこで、scipyのstatsにある、fitとという便利な関数を使って最尤推定します。

今回はベータ分布を例に取り上げます。
公式ドキュメントはここです。
scipy.stats.rv_continuous.fit
ここ、ベータ関数を使ったサンプルも乗ってるんですよね。
初めて読んだ時はもっと早く読めばよかったと思いました。

それでは、真の分布を設定して、そこからデータを生成し、パラメーターを推定してみます。


# モジュールのインポート
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import beta

# これから推定したい真の分布
frozen_beta_true = beta.freeze(a=3, b=7, loc=-2, scale=4)
# 真の分布に従うデータを生成
data = frozen_beta_true.rvs(500)

# データから最尤推定 (全パラメーター)
fit_parameter = beta.fit(data)
print(fit_parameter)
# 出力
# (2.548987294857196, 4.380552639785355, -1.946453704152459, 3.1301112690818194)

bの値と、scaleがちょっと乖離が大きいかなと感じられるのですが、
結構妥当な値が推定できました。

経験上、ベータ分布を使いたい時は、取りうる値の範囲が決まっていることが多いです。
そのため、locやscaleは固定して推定を行いたいのですが、
その時は、パラメーターにfをつけて、fitに渡すと、
それらのパラメーターは固定した上で残りを推定してくれます。


# データから最尤推定 (loc と scaleは指定する)
fit_parameter = beta.fit(data, floc=-2, fscale=4)
print(fit_parameter)
# 出力
# (3.1998198349509672, 7.4425425953673505, -2, 4)

かなり真の値に近い結果が出ました。
最後に推定した確率分布の確率密度関数を可視化してみましょう。


# 推定したパラメーターで確率分布を生成
frozen_beta = beta.freeze(*fit_parameter)

# 可視化
plt.rcParams["font.size"] = 14
x = np.linspace(-2, 2, 51)
fig = plt.figure(figsize=(8, 5))
ax = fig.add_subplot(1, 1, 1, xlim=(-2, 2), title="scipyによる最尤推定")
ax.plot(x, frozen_beta_true.pdf(x), label="真の分布")
ax.plot(x, frozen_beta.pdf(x), label="推定した分布")
ax.hist(data, bins=30, alpha=0.7, density=True, label="サンプルデータの分布")
ax.legend()
plt.show()

出力されたのがこちらの図です。
うまく推定されているように見えますね。

pythonを触り始めたばかりの頃は、scipyをうまく使えず、
確率分布はnumpyでスクラッチで書いて、この種の推定もゴリゴリ自分で実装していました。
(かなり効率の悪いアルゴリズムで)
fitを知ってからも、しばらくは4つの戻り値のどれがaでどれがlocなのかよくわからなかったり、
locやscaleを固定する方法を知らず長いこと敬遠していたのですが、
ちゃんとドキュメントを読めば全部書いてあるものです。