以前、Pythonでローソク足のチャートを描く方法を紹介しました。
参考: pythonでローソク足を描く
この時は、mpl_financeという既にメンテナンスされていないライブラリを使っていました。まぁ、個人的にちょっと使う分には問題ないのですがやはりちょっと不安になりますよね。
その一方で、実は株価チャートを描く別のライブラリがあることがわかりました。それが、
mplfinance です。 名前が非常に似ていますが、これはアンダーバー(_)がありません。
さっき見たらGithubに15時間前のコミットがあり、しっかりメンテナンス継続中のようです。
ドキュメントとなるのは以下の二つでしょうか。Githubのチュートリアルや、サンプルコードが比較的充実しているのでこちらが使いやすそうですね。
参考1 (Github): matplotlib/mplfinance: Financial Markets Data Visualization using Matplotlib
参考2(PyPI): mplfinance · PyPI
今回はこれのチュートリアルを見ながら一番基本的なローソク足と、出来高、あとついでに移動平均線でも書いてみましょう。
まずはデータの準備です。例えば次のような4本値データがあったとしましょう。データ件数とサンプルとして最初の10行表示しています。チャートを描くので、日付と、始値、高値、安値、終値が必須で、出来高がオプションです。
print("データ件数:", len(price_df))
# データ件数: 81
print(price_df.head(10))
"""
date open high low close volume
0 2022-04-01 3710.0 3725.0 3670.0 3715.0 113600.0
1 2022-04-04 3685.0 3730.0 3675.0 3725.0 94200.0
2 2022-04-05 3705.0 3725.0 3675.0 3675.0 113900.0
3 2022-04-06 3650.0 3680.0 3625.0 3635.0 163800.0
4 2022-04-07 3620.0 3660.0 3615.0 3630.0 98900.0
5 2022-04-08 3700.0 3730.0 3660.0 3700.0 135100.0
6 2022-04-11 3840.0 4060.0 3810.0 4045.0 494900.0
7 2022-04-12 4030.0 4210.0 4015.0 4120.0 403000.0
8 2022-04-13 4115.0 4165.0 4080.0 4155.0 184600.0
9 2022-04-14 4085.0 4120.0 4020.0 4065.0 240900.0
"""
これをライブラリが要求する形にする必要があります。まず、日付(date)がデータフレームのインデックスに指定されていないといけません。また、データ型も文字列ではダメで、DatetimeIndexである必要があります。その変形をします。
price_df["date"] = pd.to_datetime(price_df["date"])
price_df.set_index("date", inplace=True)
print(price_df.head(5))
"""
open high low close volume
date
2022-04-01 3710.0 3725.0 3670.0 3715.0 113600.0
2022-04-04 3685.0 3730.0 3675.0 3725.0 94200.0
2022-04-05 3705.0 3725.0 3675.0 3675.0 113900.0
2022-04-06 3650.0 3680.0 3625.0 3635.0 163800.0
2022-04-07 3620.0 3660.0 3615.0 3630.0 98900.0
"""
また、データの各列の名前は[“Open”, “High”, “Low”, “Close”, “Volume”] (“Volume”は無くても可)にするよう指定されています。日本語で”始値”とか入っている場合は変換しましょう。
先頭を大文字にしないといけないのかな?と思ったのですが、全部小文字でも動くことが確認できているので、今回はこのまま使います。
なんか、ソースコードを見ると多くの人が要求したから小文字にも対応してくれたそうです。
ここ。
# We will not be fully case-insensitive (since Pandas columns as NOT case-insensitive)
# but because so many people have requested it, for the default column names we will
# try both Capitalized and lower case:
columns = config['columns']
if columns is None:
columns = ('Open', 'High', 'Low', 'Close', 'Volume')
if all([c.lower() in data for c in columns[0:4]]):
columns = ('open', 'high', 'low', 'close', 'volume')
さて、これでデータが揃いました。
ここからの使い方はとても簡単で、こだわりがなければライブラリをimportして、plotってメソッドに渡すだけです。
import mplfinance as mpf
mpf.plot(price_df)
いわゆるOHLCチャートが出力されました。
ここから少しカスタマイズしていきます。
まず、チャートをローソク足にするのは、type=”candle”です。”candle”の他にはデフォルトの”ohlc”や、”line”, “renko”, “pnf” が指定できます。それぞれイメージ通りの出力が得られるので興味がある方は試してみてください。
出来高の追加は volume=True を指定します。
また、移動平均線は、mav 引数で指定します。整数を一つ指定すればその日数の移動平均が1本、配列等で複数の整数を渡して数本引くこともできます。
チャート全体をもう少し横長にしたいなど、縦横比率を変えたい場合は、figratioで指定します。デフォルトは(8.00,5.75) です。どうも名前の通り、数値の比だけが重要のようです。(4, 2)と(2, 1)の結果が一緒でした。
以上、やってみます。
mpf.plot(
price_df,
type="candle",
volume=True,
mav=[5, 12],
figratio=(2, 1),
)
出力がこちらです。
いい感じですね。
この他にも見栄えを整えるオプションは多数用意さてれいるのですが、いくつかの組み合わせがstyleとして用意されています。style=”yahoo”なんてのもあります。
こちらのページにサンプルがまとまっているので、気に入ったのがあったら使ってみるのも良いと思います。(僕は一旦上の、style=”default”でいいかな。)
今回はデータを渡すだけでサクッとチャートを描いてくれるmplfinanceの基本的な使い方を紹介しました。近いうちの記事で、これに別のテクニカル指標を表示したり線や点を追加するなどのカスタマイズ方法を紹介していきたいと思います。